門前の小僧、『維摩経』を読む  維摩会(春秋館)で参禅ライフ8

仏と菩薩と聖声聞と独覚との過去現在未来のすべてに礼拝し奉ります。

それでは、一章の「仏国品」の続きを、ご一緒に読んでいきましょう。

 

又此の三千大千世界の諸の須弥山・雪山・目真隣陀山・摩訶目真隣陀山・香山・

宝山・金山・黒山・鉄囲山・大鉄囲山・大海・江河・川流・泉源及び日・月・

星辰・天宮・龍宮・諸尊神宮・悉く宝蓋の中に現したり。

又十方の諸仏も、諸仏の説法も、亦宝蓋の中に現したり。

その時、一切の大衆、仏の神力を見たてまつりて、未曾有なりと歎じ、

掌を含せて仏を礼し、尊顔をあおぎ見て目暫くもはなさず。

 

「須弥山」とは、仏教宇宙論における世界中心的な巨山のことです。

サンスクリット語でメールMeruまたはスメールSumeruといい、

須弥(しゅみ)や蘇迷盧(そめいろ)と音訳されます。

水をたたえた金輪の中心に立ち、水面上の高さは8万由旬(ゆじゅん)あり、

周囲には同心状に七つの山脈が取り巻くといいます。

最外周の山脈のさらに外には、須弥山の東西南北の方角にあたって一つずつ

大陸があり、そのうち南にあるのが、私たちの住む大陸「贍部洲(せんぶしゅう)」

です。

須弥山には香木が茂り、山腹には四大王天(しだいおうてん)らが住み、

頂上には帝釈天(たいしゃくてん)を首領とする三十三天(忉利天(とうりてん))らが

住むといいます。

参考資料:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)、

     「新仏教辞典」(中村元監修、誠信書房

ヴァイシャーリーにある沐浴池(筆者撮影)