門前の小僧、『維摩経』を読む  維摩会(春秋館)で参禅ライフ11

仏と菩薩と聖声聞と独覚との過去現在未来のすべてに礼拝し奉ります。

それでは、一章の「仏国品」の続きを、ご一緒に読んでいきましょう。

 

「布施は是れ菩薩の浄土なり。菩薩成仏の時、一切能捨の衆生来って其の国に生ぜん。

持戒は是れ菩薩の浄土なり、菩薩成仏の時、十善道を行ずる満願の衆生来って其の国に生ぜん。  

忍辱は是れ菩薩の浄土なり。菩薩成仏の時、三十二相荘厳の衆生来って其の国に生ぜん。

精進は是れ菩薩の浄土なり。菩薩成仏の時、一切の功徳を勤修する衆生来って其の国に生ぜん。

禅定は是れ菩薩の浄土なり。菩薩成仏の時、心を摂して乱れざる衆生来って其の国に生ぜん。

智慧は是れ菩薩の浄土なり。菩薩成仏の時、正定の衆生来って其の国に生ぜん。」

 

仏教が説く悟りに至るための六つの修行徳目である「六波羅蜜」を説く部分です。

六波羅蜜とは、次の6つを指します。

  • 布施(施しをすること)
  • 持戒(戒律を守って自己反省すること)
  • 忍辱(忍耐すること)
  • 精進(努力の実践)
  • 禅定(心を統一すること)
  • 智慧(悟りの智慧を得ること)

 

私たちは、悟りを得ることを目指して、この6つの徳目を日々、怠ることなく実践していくだけなのだと思います。

 

インドにいたリス(筆者撮影)