門前の小僧、『維摩経』を読む 維摩会(春秋館)で参禅ライフ15
仏と菩薩と聖声聞と独覚との過去現在未来のすべてに礼拝し奉ります。
それでは、一章の「仏国品」の続きを、ご一緒に読んでいきましょう。
廻向心は是れ菩薩の浄土なり。菩薩成仏の時、一切に功徳を具足せる国土を得ん。
八難を除くを説くは、是れ菩薩の浄土なり。菩薩成仏の時、国土に三悪八難有ること無からん。自ら戒行を守りて彼のたりなさを譏らざるは、是れ菩薩の浄土なり。菩薩成仏の時、国土に犯禁の名有ること無からん。
「八難」とは、仏道修行の妨げとなる八つの困難をいいます。
お釈迦様に会って教えを聞く機会のない ①地獄、②餓鬼、③畜生の状態。
快楽にふけるのみの④長寿天、⑤辺地(阿弥陀仏の本願を疑いながら
極楽往生を願った者の生まれる所。極楽浄土の辺界の地の状態)、
⑥ 盲聾唖であること、⑦よこしまな見解をもつこと、
⑧仏陀が世に現れていない時を指します。
「精選版 日本国語大辞典」などを参考資料としました。