門前の小僧、『維摩経』を読む 維摩会(春秋館)で参禅ライフ7
仏と菩薩と聖声聞と独覚との過去現在未来のすべてに礼拝し奉ります。
それでは、一章の「仏国品」の続きを、ご一緒に読んでいきましょう。
その時、仏、無量何千の衆(ひとびと)の与(ため)に恭敬し囲にょうせられて、
為(ため)に説法し給う。あたかも須弥山王の大海に顕(あらわ)るるが如く、
衆宝の、師子座に安処して、一切諸来の大衆を蔽いたまえり。その時、毘那離の城に最者の子有り、名けて宝積という。
五百の長者の子と倶に、七宝の蓋を持して仏のみもとに来詣で、
頭面に足を礼し、各々其の蓋を以て、共に仏に供養したてまつる。
仏の威神、諸の宝蓋をして合して一蓋と成さしめ、遍く三千大千世界を覆い、
而も比の世界の広長の相悉く中に於て現じたり。
「毘那離」(びやり)とは、インドのヴァイシャーリーのことです。
釈尊が御在世の時代、北インドには16もの大国(マガダ、コーサラなど)が
あって、商業都市・ヴァイシャーリーはリッチヴィ族の首都でした。
現在のヴァイシャーリーには、アショーカ王の石柱やストゥーパが建っていて、
仏跡として知られています。
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